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BenriWorks Lab

SiteVision Planner

ベータ版

現場図面と候補カメラから、遠隔巡視の配置案・死角・確認品質を机上で検証し、説明可能なレポートにまとめる計画支援ツール。カメラを買う前の検討に使えます

公開日

明るい昼の現場事務所で、ヘルメットと安全ベスト姿の現場管理者がノートPCのゾーン配置図を確認している。窓の外にはポールに取り付けられた監視カメラと建設中の現場が見える

対象ユーザー

  • 建設現場や資材ヤードで遠隔巡視の導入を検討している担当者
  • カメラ配置の妥当性を発注者や社内に説明する必要がある人

遠隔巡視のカメラは、設置してから死角に気づくことが少なくありません。買う前の検討材料は機種カタログと経験則くらいで、「この配置で本当に巡視が成立するのか」を確かめる道具は意外と見当たりません。SiteVision Plannerは、その机上検証を引き受けるWebアプリです。現場図面と候補カメラから、配置案、死角、確認品質、そして実機PoCで確かめるべき項目を、説明可能なレポートとして組み立てます。

解決する課題

遠隔巡視の導入検討には、順序の問題があります。カメラの実映像を見れば成立性はすぐわかりますが、実映像を見るにはカメラを買って付けなければなりません。先に投資が必要で、失敗はあとから判明します。

もうひとつは説明の問題です。担当者の頭の中で「たぶん見える」と思えても、発注者や社内へ根拠を示せなければ判断は進みません。カバー率のような数字だけを出しても、その数字がどんな前提で計算されたのかを問われたときに答えられなければ、かえって信頼を失います。

SiteVision Plannerは、この2つに対して「買う前の机上検証」と「根拠をたどれるレポート」で応えます。評価するのは、カメラに視認の能力があるか(視野、遮蔽、画素密度)までです。実際に人が見ているかという運用や、実回線の品質、法令適合は評価の対象外で、その境界線をアプリ自身が明示します。

主な機能

中心になるのは2Dカバレッジ評価です。敷地の上面図を格子状にサンプリングし、各地点を可視、映るが品質不足、不可視の3種類に塗り分けます。品質の判定基準は画素密度(px/m)で、対象をどれだけの解像度で映せるかを距離と画角から計算します。不適合の地点には、画角外、距離範囲外、遮蔽、画素密度不足のどれが原因かの内訳と、「最も惜しい地点」の実測値と要求値が表示されるため、次の一手(カメラを近づける、機種を変える、増設する)を考えられます。

カメラは固定、PTZ、360度パノラマ、180度パノラマの4方式に対応し、同梱の機種プリセットと取付方法(単管、ポール、フェンス、壁面、上層階)ごとの推奨高さガイドを使えます。工程(フェーズ)の概念があり、基礎工事と躯体工事で構造物と配置を切り替えて比較することもできます。

評価は二段階です。カバー率が十分でも、直接巡視が必須のリスクや通信・現場対応の前提のようなハードゲートに不適合があれば、遠隔巡視単独の適用候補とはしません。数字の見栄えより、遠隔化してはいけない現場を候補から外すことを優先しています。

初めて使う場合は、寸法・下絵・巡視目的・機種を選ぶだけのかんたん作成ウィザードか、建築(2工程)・道路・資材ヤードの設定済みサンプルから入れます。検討結果は、総合判定とその主要因、ゾーン別合否、宣言済みの運用前提、実機PoCで確認すべき項目を1ページに集約した意思決定サマリつきのHTMLレポートになり、ブラウザ印刷でPDFとして保存できます。

開発の背景

出発点は、遠隔巡視の相談が「まずカメラを買ってみるか」から始まりがちだという観察でした。買ってから配置を試行錯誤するのは高くつきますし、うまくいかなかったときに「機種が悪かったのか、配置が悪かったのか、そもそも遠隔化に向かない現場だったのか」を切り分けられません。

そこで、判断の順序を入れ替えることにしました。先に机上で成立性を検証し、ダメな配置は買う前に捨てる。成立しそうな配置についても、仮定している値を洗い出して「実機PoCではここを確かめる」という宿題つきでレポートにする。アプリが答えを断定するのではなく、人が判断するための材料と根拠を揃える道具として設計しています。

技術と設計

Next.jsのApp RouterとTypeScript(strict)で実装したWebアプリで、Vercelで配信しています。入力した図面や配置データはブラウザ内にのみ保存されるローカルファーストの構成で、サーバーへのアップロードはありません。データはJSONで書き出して持ち運べます。

設計で重視したのは、計算根拠のトレーサビリティです。要求画素密度やカバー率要求値のような閾値は、実機で校正するまでは仮設定値である旨をASSUMEDという区分で画面とレポートに明示します。実機PoCで確かめた値を記録すると、表示が根拠区分(実機校正済み、社内標準)へ切り替わり、判定とレポートに一貫して反映されます。計算に使った入力値・式・閾値はアプリ内の解説ページで追跡できます。

現在の状態と既知の課題

公開して間もないベータ版という位置付けです。既定のカバレッジ計算はカメラ高さや俯角、構造物の高さ関係を考慮しない2D近似のスクリーニングで、高さ方向を合否に反映できるのは3D重点評価を有効にしたゾーンに限られます。3D表示は配置と遮蔽の目視確認用です。

また、このアプリの結果は設計とPoC判断の根拠であって、法令適合や安全の証明ではありません。仮設定値は実機PoCでの校正を前提としているため、レポートに載る「実機で確認すべき項目」まで含めて検討のワンセットとして使ってください。

現場の安全検討という点では、移動式クレーンの作業計画を3Dで検証する「移動式クレーン安全シミュレーター」と関心を共有しています。机上検証で判断の質を上げ、確認すべきことを現地へ持っていく、という流れは同じです。

スクリーンショット

  • サンプルプロジェクトの2Dカバレッジ画面。敷地の上面図が品質OK・映るが品質不足・不可視の3色で塗り分けられ、下部に品質OK 49%などの判定と仮設定値(ASSUMED)の注記が表示されている
    サンプルプロジェクトの2Dカバレッジ画面。敷地の上面図が品質OK・映るが品質不足・不可視の3色で塗り分けられ、下部に品質OK 49%などの判定と仮設定値(ASSUMED)の注記が表示されている

分野・使用技術

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