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ガイド公開日

複線図の書き方 — 単線図から起こす手順を4ステップで解説

作業着姿の若い技術者が、机で鉛筆と定規を使って複線図を描く練習をしている

第二種電気工事士 技能試験の最初の壁である複線図を、単線図から起こす手順として解説します。書く順番の原則、電線の色の決まり、練習のコツをまとめます

第二種電気工事士の技能試験では、課題が単線図で与えられます。しかし実際に器具を結線するには、何色の電線をどの端子につなぐかまで決めた複線図が頭に入っていなければなりません。単線図から複線図への変換は技能試験の最初の壁で、ここを「なんとなく暗記」で越えようとすると、候補問題の数だけ丸暗記が必要になってしまいます。この記事では、どの候補問題にも通用する「書く順番の原則」として複線図の書き方を解説します。

単線図と複線図の違い

単線図は、器具と器具のつながりを1本の線で表した「配線のあらすじ」です。1本の線に見えても、実際の電気は行きと帰りの2本(またはそれ以上)の電線で流れるため、施工には電線の本数と色まで表した複線図が必要になります。

左に単線図、右に複線図を並べた対比図。単線図では電源とスイッチ イ、電源と照明 イ が1本ずつの線で結ばれている。複線図では電源の接地側から出た白線がスイッチを通らず照明へ直行し、非接地側の黒線がスイッチへ入り、スイッチから照明へ帰り線が伸びていて、それぞれに2・3・4のステップ番号が付いている
同じ回路でも、複線図では電線の本数と色、そして向かう先まで決まる

複線図に起こすときに決めるのは、突き詰めると次の2つだけです。

  • 電線を何本通すか(線のルート)
  • それぞれ何色にするか(電線の色)

この2つを迷いなく決めるための順番が、次の4ステップです。

複線図を書く4ステップを上から順に並べた流れ図。1は器具を配置する、2は接地側(白)を器具へつなぐで「白は器具に直行」、3は非接地側(黒)をスイッチとコンセントへつなぐで「黒はスイッチとコンセントへ」、4はスイッチから対応する器具へつなぐ。最下段に、4ステップを終えると線が合流する点(電線どうしの接続点)が見えてくると書かれている
この順番どおりに引けば、候補問題ごとの丸暗記は要らない

複線図を書く4ステップ

ステップ1: 器具を配置する

単線図と同じ位置関係で、電源・スイッチ・照明器具・コンセントを書き出します。このとき、スイッチと「そのスイッチが入り切りする器具」の対応(「イ」「ロ」などの記号)を必ず書き写しておきます。あとのステップはすべてこの対応関係を頼りに進むからです。

ステップ2: 接地側(白)を器具へつなぐ

電源の接地側(白色)から、スイッチを経由せずに、すべての照明器具とコンセントへ線を引きます。

「白は器具に直行」。これがひとつめの原則です。照明はスイッチで入り切りしますが、切るのは行きの線(非接地側)であって、帰りの線はいつでもつながっています。

ステップ3: 非接地側(黒)をスイッチとコンセントへつなぐ

電源の非接地側(黒色)から、スイッチとコンセントへ線を引きます。

「黒はスイッチとコンセントへ」。これがふたつめの原則です。コンセントは常に電気が来ていてほしい器具なので黒が直行し、照明への黒はいったんスイッチで止まります。

ステップ4: スイッチから対応する器具へつなぐ

最後に、各スイッチから、ステップ1で確認した対応記号の器具へ線を引きます(いわゆる「帰り線」)。ここで使う電線の色は、ケーブルの残りの心線で決まります。2心ケーブルなら白と黒を使い切っているため、実際の施工では残った色を割り当てることになりますが、複線図の段階では「どのスイッチからどの器具へ線が伸びるか」を間違えないことが先決です。

電線の色と接続先の対応表。白(接地側)は電源の接地側からスイッチを経由せずすべての照明器具とコンセントへ直行しステップ2に対応、黒(非接地側)は電源の非接地側からスイッチとコンセントへ向かい照明への黒はスイッチで止まりステップ3に対応、赤は3心ケーブルの3本目の心線で帰り線などに割り当てステップ4に対応する
白・黒・赤が、4ステップのどこで登場するかの対応

この4ステップを終えると、線が合流する点(電線どうしの接続点)が見えてきます。接続点にはリングスリーブまたは差込形コネクタを使うため、複線図に接続点の印を付け、各接続点で何本の電線が集まるかを数えておくと、そのまま施工の段取りになります。

複線図道場の練習画面。3灯3点滅回路の複線図が完成し、接続ボックスAの5つの接続点に「小/小」「小/○」、接続ボックスBの3つの接続点に「2極」「3極」の表示が付いている。画面右上に接続箱18/18、施工8/8と出ている
接続点ごとに、集まる電線の本数とリングスリーブ・差込形コネクタまで決めた状態(複線図道場の練習画面)

3路スイッチなどの応用

階段の上下どちらでも照明を入り切りできる3路スイッチの課題では、スイッチ間を2本の線でつなぐ形が加わりますが、考え方は同じです。「電源の黒は片方の3路スイッチの0番へ」「もう片方の3路スイッチの0番から器具へ」と、原則に沿って端から順に決めていけば、暗記に頼らず書けます。

練習のコツ

候補問題を「原則で」解き直す。 完成した複線図を眺めて覚えるのではなく、白紙から4ステップの順番どおりに自分で線を引くことが重要です。同じ問題でも、順番を守って3回書くと手が覚えます。

間違えたら、どのステップで間違えたかを特定する。 複線図の間違いは、たいてい「白をスイッチに通してしまった」「スイッチと器具の対応を取り違えた」のどちらかに分類できます。間違いの型が分かれば、次から注意する場所が絞れます。

複線図道場の判定パネル。「提出1回目・要修正」の見出しの下に、接地側の経路が正しくありません、非接地側の経路が正しくありません、心線の役割が端子と一致しません、の3件が並び、1件目には白線で指定された接地側をスイッチを通さず同じ接続へまとめるよう促す説明が付いている
白をスイッチに通してしまった答案。どの経路が崩れているかが名指しで返ってくる

時間を計る。 技能試験は40分で施工まで終える必要があり、複線図に使える時間は数分です。書けるようになったら、5分以内を目安に速度を上げていきます。

案内役のイラスト。作業ジャケット姿の男性エンジニアが配線図のクリップボードを指さしている。左に「複線図は4ステップで描ける 第二種電気工事士 技能試験の最初の壁」というキャッチコピーが入っている
どの候補問題でも、描く順番は同じ4ステップです

まとめ

  • 複線図は「線のルート」と「色」を決める作業。順番の原則で書けば丸暗記は不要
  • 白は器具へ直行、黒はスイッチとコンセントへ、スイッチから対応する器具へ帰り線
  • 練習は「白紙から順番どおりに」「間違いの型を特定しながら」「時間を計って」

複線図が原則で書けるようになると、技能試験の残りの時間配分に余裕が生まれます。候補問題の反復には複線図道場をどうぞ。

よくある質問

単線図と複線図は何が違うのですか
単線図は、器具と器具のつながりを1本の線で表した配線のあらすじです。実際の電気は行きと帰りの2本以上の電線で流れるため、施工には電線の本数と色まで表した複線図が必要になります。
複線図はどの順番で書けばよいですか
器具を配置する、接地側(白)を器具へつなぐ、非接地側(黒)をスイッチとコンセントへつなぐ、スイッチから対応する器具へつなぐ、の4ステップです。この順番で書けば、候補問題の丸暗記は要りません。
白と黒の電線は、どこにつなぐと覚えればよいですか
白は器具へ直行、黒はスイッチとコンセントへ、が原則です。照明を切るのは行きの線(非接地側)であって帰りの線はいつでもつながっているため、接地側はスイッチを経由せずに、すべての照明器具とコンセントへ引きます。
3路スイッチの課題も同じ考え方で書けますか
書けます。スイッチ間を2本の線でつなぐ形が加わりますが、電源の黒は片方の3路スイッチの0番へ、もう片方の3路スイッチの0番から器具へ、と原則に沿って端から順に決めていけば、暗記に頼らず書けます。
複線図はどのくらいの時間で書けるようになればよいですか
技能試験は40分で施工まで終える必要があり、複線図に使える時間は数分です。白紙から順番どおりに書けるようになったら、5分以内を目安に速度を上げていきます。

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