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モデルと考える深さと速さを、依頼の性質で選び分ける

Claude Code 集中講座の第6回。モデルの別名、5段階の思考の深さ、速さだけを上げるファストモードの3つを整理します。深くしても結果が変わらない作業と、長い文脈が要るときの選択肢も扱います
同じ依頼を、同じリポジトリで、同じ言葉で出しても、返ってくるものは毎回同じにはなりません。揺れの幅を決めている設定が3つあります。
どのモデルで動かすか。どれだけ考えさせるか。そして、速さにいくら払うか。3つ目があるのが、この道具の特徴です。
モデルは別名で選ぶ
モデルの指定には、正式な名前と別名の2通りがあります。ふだんは別名で足ります。
| 別名 | 指すもの |
|---|---|
default | アカウントに応じた既定。Max や Enterprise は Opus 5、Pro は Sonnet 5 |
best | 使えるなら Fable、なければ Opus |
fable | Fable 5.1 |
opus | 最新の Opus(Opus 5) |
sonnet | 最新の Sonnet(Sonnet 5) |
haiku | 速い Haiku |
opusplan | 計画は Opus、実行は Sonnet に自動で切り替わる |
正式な名前を書くこともできます。claude-opus-5、claude-sonnet-5、claude-fable-5-1、claude-haiku-4-5 のような形です。
切り替えは /model です。引数なしで選択画面が出ますし、/model opus のように直接指定もできます。起動時に決めるなら claude --model opus、設定ファイルに固定するなら次の形です。
{
"model": "opus"
}
考える深さには5段階ある
深さは、公式の言葉では effort と呼ばれます。1手ごとにどれだけ考えるかを調整する設定です。
Fable 5.1、Fable 5、Opus 5、Sonnet 5、Opus 4.8、Opus 4.7 では、low、medium、high、xhigh、max の5段階が使えます。既定は high です。
切り替えは /effort です。引数なしでスライダーが出ますし、/effort high のように直接も指定できます。
{
"effortLevel": "high",
"modelSettings": {
"claude-opus-5": { "effort": "xhigh" }
}
}
モデルごとに違う深さを持たせることもできます。「普段は high、Opus に切り替えたときだけ xhigh」のような設定です。
深くしても変わらない作業がある
ここを誤解したまま使うと、待ち時間だけが増えます。
答えが1つに決まっている作業では、深さを上げても結果は変わりません。ファイル名の一括置換、関数の移動、設定値の書き換え。こうした作業で xhigh を選んでも、出てくる差分は low のときと同じで、返ってくるまでの時間が伸びるだけです。
深さが効いてくるのは、選択肢が複数あって、その比較に手間がかかる作業です。既存の設計に新しい要件をどう収めるか。落ちているテストの原因が3つの候補のどれか。移行の手順をどう並べるか。案を立てては捨てる過程そのものが、仕事の中身になっている場面です。
上げる前に「この依頼に、捨てるべき案はあるか」を自分に聞いてみてください。なければ上げません。
使い分けの目安
以下は BenriWorks での運用です。公式が定めた基準ではなく、手元の作業から決めた目安になります。
| 依頼の性質 | 深さの目安 | 例 |
|---|---|---|
| 答えが1つに決まる | low | 文言の置換、書式の統一、ファイルの移動 |
| 手順は決まっているが分量が多い | medium | 同じ形の関数を10個追加、テストの一括追加 |
| 選択肢を比べる必要がある | high | 設計の変更、落ちるテストの原因調査 |
| 前提から疑う必要がある | xhigh 以上 | 移行計画の立案、再現しない不具合の調査 |
下の2行に共通するのは、人が読んで判断する時間のほうが長くなる作業だということです。深く考えさせた結果は、そのぶん読むのにも時間がかかります。深さを上げるときは、読む側の時間も一緒に確保してください。
計画と実行でモデルを分ける
別名の表に opusplan がありました。これは、計画のときは Opus、実行に入ると Sonnet へ自動で切り替わる設定です。
背景にあるのは、設計を決める作業と、決まった設計を書き下す作業では、要る能力が違うという観察です。前者は選択肢を比べる作業で、後者は手を動かす作業です。第7回で扱うプランモードと組み合わせると、この分業が自然な形になります。
速さだけを上げる
3つ目のつまみです。
/fast でファストモードを切り替えられます。押さえておきたいのは、これが別のモデルへの切り替えではないことです。公式の説明によれば、ファストモードは同じ Claude Opus を、コスト効率より速さを優先する設定で動かすものです。品質と能力は同じまま、応答が速くなります。
Opus 5 と Opus 4.8 では、出力のトークン毎秒が最大で2.5倍になるとされています。そのぶん料金は割増で、入力と出力が100万トークンあたり10ドルと50ドルになります。
使いどころは、対話しながら細かく直していく作業と、動いているものを見ながら原因を追う作業です。逆に、長い作業を投げて席を立つときには意味がありません。待っていないのだから、速くても変わりません。
対応していないモデルへ切り替えると、ファストモードは自動的に切れます。Opus 4.7 も対象外です。
長い文脈が要るとき
大きなリポジトリや長い資料を扱うと、文脈の長さが効いてきます。
一部のモデルには、100万トークンの文脈を使う変種があります。/model opus[1m] や /model sonnet[1m] のように、角括弧をつけて指定します。対応しているのは Fable 5.1、Fable 5、Sonnet 5、Opus 4.7 以降です。
ただ、文脈を広げる前に試すことがあります。読ませる範囲を絞ることです。第7回で扱いますが、関係するファイルを名指しするほうが、全部読ませて長い文脈に頼るより速く、結果も安定します。長い文脈は、絞れないときの手段だと考えてください。
動かないときに別のモデルへ回す
使いたいモデルが混雑していて応答しないことがあります。そのときに別のモデルへ回す設定があります。
claude --fallback-model sonnet,haiku
設定ファイルに書いておくこともできます。
{
"fallbackModel": ["claude-sonnet-5", "claude-haiku-4-5"]
}
順番に試されます。長い作業を任せるときに入れておくと、途中で止まらずに済みます。
内容によって自動的に切り替わることもあります。公式ドキュメントによれば、Fable や Opus 5 が特定の分野の内容に印を付けた場合、その要求は別のモデルで実行し直されます。この挙動は /config の設定か、switchModelsOnFlag を false にすることで止められます。
いま何が使われているかは /status で確認できます。思っていたモデルと違うものが動いていたというのは実際によくある話で、迷ったらまずここを見てください。
次の回
結果の質を決める設定を見ました。第7回では、同じ設定でも結果を変えるもの、つまり依頼の書き方を扱います。変更の前に計画だけ出させるプランモードも、ここで扱います。
参照した公式情報
- Anthropic「Model configuration」「Speed up responses with fast mode」(code.claude.com/docs、2026年9月時点)
- Anthropic「Fast mode」(platform.claude.com/docs)
よくある質問
- どのモデルを選べばよいですか
- 最初は既定のままで構いません。公式ドキュメントによれば、`default` は Max や Enterprise では Opus 5、Pro では Sonnet 5 に対応します。待ち時間が気になる軽い作業を `haiku` に落とし、難しい調査を `opus` や `fable` に上げる、という順で触ってください。
- 思考の深さは常に最大にすればよいのではないですか
- 深くするほど時間と使用量を使い、それに見合う改善が出るとは限りません。答えが1つに決まる作業では、深さを上げても結果は同じで待ち時間だけが伸びます。効くのは、選択肢が複数あって比較が要る作業です。既定は high です。
- ファストモードは安いモデルに落ちるのですか
- 落ちません。公式の説明では、ファストモードは別のモデルではなく、同じ Claude Opus を速さ優先の設定で動かすものです。品質と能力は同じまま、出力の速さが上がり、料金は割増になります。対応しているのは Opus 5 と Opus 4.8 です。



