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複線図の練習を10問でどう回すか

第二種電気工事士の技能試験に向けて複線図を練習するとき、公表問題のどれから手を付けるか。問題ごとの線の本数の違いと、どの問題でも変わらない最初の2手、問題ごとに分かれる3手目から練習の順番を組み立てます
公表問題の単線図を印刷して机に並べたところで、手が止まることがあります。1問目から順に潰していけばいいのか、苦手そうな3路スイッチから当たるべきなのか。複線図の書き方そのものは分かっていても、10問をどう回すかは別の問題です。
順番を決める手がかりは、問題そのものの中にあります。複線図道場に収録した10問を線の本数で並べ直すと、重さの差がはっきり出ます。
接続箱の中でつなぐ線の本数
10問を稽古順に並べ、模範結線の線端を数えた表です。稽古順は、複線図道場の第1問から第10問までの並びで、公表問題の番号とは別に付いています。
| 稽古順 | 公表問題 | 学習テーマ | 器具側(所与) | 接続箱の中 | 接続点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | No.1 | 3灯3点滅回路 | 12 | 18 | 8 |
| 2 | No.9 | 照明とコンセントとEET | 16 | 16 | 6 |
| 3 | No.2 | 常時点灯パイロットランプ | 15 | 17 | 6 |
| 4 | No.10 | 同時点滅パイロットランプ | 9 | 9 | 3 |
| 5 | No.6 | 3路スイッチ | 14 | 20 | 8 |
| 6 | No.7 | 3路と4路と3路スイッチ | 16 | 22 | 10 |
| 7 | No.3 | タイムスイッチ | 16 | 16 | 6 |
| 8 | No.13 | 自動点滅器と屋外灯 | 16 | 16 | 6 |
| 9 | No.8 | リモコンリレー3回路 | 14 | 14 | 5 |
| 10 | No.5 | 100Vと200Vの混在回路 | 16 | 10 | 4 |
一番軽いのは稽古順4番目の問題で、接続箱の中は9本です。一番重いのは6番目で22本あります。倍以上の差があり、しかもこの重さは公表問題の番号とも稽古順とも一致していません。番号順に潰していく計画が途中で苦しくなるのは、このためです。
表の左から4番目の列は、最初から結線された状態で与えられる線の数です。ランプレセプタクルの受金ねじ部に白を落とす、スイッチの片側に黒を入れる、といった部分です。判断が要るのは接続箱の中だけで、外側は問題文の時点で決まっています。10問を合わせると、模範結線の線端のおよそ半分が接続箱の中にあります。
どの問題でも変わらない最初の2手
複線図道場の段階ガイドは、模範結線を数手に分けて示します。その1手目と2手目が、10問のうち9問で同じでした。
1手目は接地側です。電源の白線を、スイッチを通さずに照明とコンセントへ配ります。2手目は常時非接地側で、電源の黒線をスイッチの入力側とコンセントへ送ります。文言は問題ごとに違いますが、やっていることは同じです。
例外は100Vと200Vが混在する問題だけで、ここでは200Vと接地を100Vから切り離す作業が1手目に入ります。ただし切り離したあとにやることは、やはり接地側を配ることです。
この2手は、「複線図の書き方」で扱った書く順番の前半にあたります。10問を通して同じ手が続くということは、ここは問題ごとに覚え直す必要がない部分だということでもあります。
分かれるのは3手目
違いが出るのは3手目からです。10問の3手目以降を並べると、4つの型に収まりました。
ひとつ目は、一対一で返す型です。スイッチの出力を、対応する1つの器具へそのまま送ります。3灯3点滅回路がこの型の代表で、イ、ロ、ハの3本を取り違えずに引けるかだけが問われます。タイムスイッチ、自動点滅器、リモコンリレーの3問も、制御する器具の種類が変わるだけで、返り方はこの型です。
ふたつ目は、束ねて返す型です。複数の器具を同じ返り線にまとめる形で、常時点灯パイロットランプと同時点滅パイロットランプの2問がここに入ります。同時点滅では、スイッチの出力とパイロットランプと照明が同じ1本の線に乗ります。一対一で返す癖がついていると、ここで線を分けすぎます。
みっつ目の渡り線を通す型は、3路スイッチの2問です。電源側と負荷側の3路スイッチで、共通端子0をそれぞれ電源と器具につなぎ、2つのスイッチの端子1どうしと端子3どうしを別々の線で結びます。4路スイッチが挟まる問題では、この2本組が2つに増えます。接続箱の中が22本と最も重くなるのは、この渡り線が効いています。
よっつ目は、別系統として切り離す型です。EET(接地極付接地端子付コンセント)の保護接地を緑色の線で接地端子だけへ落とす問題と、100Vと200Vを分けて整理する問題(こちらは1手目から分岐します)が該当します。他の線とつながないことが答えになる、という点で他の3つと性格が違います。
覚える対象が10通りの答えではなく4つの型になると、初見の回路でもどれに近いかで見当が付きます。
練習を回す順番
線の本数と型が分かると、番号順とは違う並べ方ができます。
最初は接続箱の中が9本の問題です。稽古順の4番目にある同時点滅パイロットランプの問題で、線が少ないぶん、接地側から配るという最初の2手を体に入れるのに向いています。ここで手順そのものに迷わなくなってから先へ進みます。
次に、型ごとに1問ずつ当たります。一対一で返す型から3灯3点滅回路、束ねて返す型から常時点灯パイロットランプ、渡り線を通す型から3路スイッチ、切り離す型から100Vと200Vの混在回路。4問で4つの型を一巡できます。
最後に重い問題を置きます。3路と4路と3路の問題は接続箱の中が22本、接続点が10個あり、渡り線を2組通したうえで負荷へ返す必要があります。型を知らないまま最初にここへ来ると、どこで間違えたのかを切り分けられません。逆に型が入っていれば、渡り線の2組がそれぞれ独立していることを確かめるだけで済みます。
残る問題は、時間を測って通しで解く段階に使えます。

手を動かして確かめる
複線図道場では、単線図から複線図を組み立てて提出すると、採点結果が返ります。判定は入力、回路、端子、心線、施工条件、接続処理の6つに分かれていて、どこで外したかが分かります。
判定が分かれているのは、回路として正しくても施工条件の側で落ちることがあるからです。リングスリーブで処理すべき接続を差込形コネクタでつないだ場合、線のつながり方は合っていても施工条件は通りません。
編集できるのは接続箱の中だけで、器具側の結線は外そうとしても保護されます。表で見た所与の線がそれにあたります。書くべきところに集中できるかわりに、器具側の色の決まりは別に覚える必要があります。
途中で分からなくなったときは段階ガイドを開くと、模範結線がこの記事で見た手の単位で表示されます。2手目まで自力で引いてから3手目だけ確認する、という使い方もできます。この記事で分けた型の違いは、3手目に出るためです。

机の上の10問に戻る
印刷した単線図を番号順に積んでいたなら、いちど並べ替えてみてください。線の少ない問題を上に、渡り線の問題を下に。上から順に手を動かすと、最初の2手が問題をまたいで同じだと、2問目で分かります。
10問を10通りとして覚えるか、4つの型として覚えるか。初めて見る回路の前で、どれに近いかの見当が付くのは後者のほうです。
よくある質問
- 候補問題はどれから練習すればよいですか
- 接続箱の中でつなぐ線が少ない問題からです。複線図道場に収録した10問では、公表問題No.10が9本、No.7が22本と倍以上の差があります。軽い問題で書く順番を固めてから、重い問題に移ると手戻りが少なくなります。
- 10問すべてを覚える必要はありますか
- 覚えるのは10通りの答えではなく、3手目の型です。接地側を配る、常時非接地側を配る、という最初の2手はどの問題でも同じで、分かれるのは3手目からです。その3手目も、一対一で返す、束ねて返す、渡り線を通す、別系統として切り離す、の4つに収まります。
- 複線図が書ければ技能試験は通りますか
- 複線図の正しさと、施工条件や接続処理の正しさは別の判定です。複線図道場の採点も、入力、回路、端子、心線、施工条件、接続処理の6つに分けて結果を返します。回路が合っていても、指定された接続方法と違えば施工条件の側で不合格になります。
- 複線図道場には公表問題がすべて入っていますか
- 入っていません。令和8年度上期の公表問題13問のうち10問を収録しており、No.4、No.11、No.12は含みません。また収録した10問の正答集合や診断は資格者レビュー前の状態です。





